King Crimson
『レッド』 1974

断末魔を迎えた獣が這いずりながら咆吼しているようなロバート・フリップのギター・リフが強烈。
ジョン・ウェットンの重低音ベースは絨毯爆撃で音の隙間を埋め尽くし
ビル・ブラッフォードの手数の多いドラミングは焼け落ちた瓦礫の上を風のように駆け抜ける!
オープニング・ナンバーの「レッド」はまさにこんな感じがします。
キング・クリムゾンは1969年にアルバム「クリムゾン・キングの宮殿」で衝撃のデビューを飾り
(当時の人気バンド、ムーディ・ブルースは前座のキング・クリムゾンの演奏が
あまりにも凄まじいのでツアーをキャンセルしてしまった)
ギターのロバート・フリップを中心に幾たびかのメンバー・チェンジを繰り返しながら
発表する全てが傑作に値する作品群を残し、本作「レッド」で70年代の活動に
終止符を打ったのでした。
錯乱する狂気、或いは青い月が照らし出す静寂に満ちた世界。

アルバム・ジャケットの裏にはメーターの針がレッドゾーンで振り切れています。
1974年、キング・クリムゾンは自らを消耗し解散していった多くのバンドとは違い、
その活動に於て最もピークに達した時点で、リーダーのロバート・フリップが唐突に
幕を下ろしたのでした。
(他のメンバーにはバンドが解散することを一切知らされなかったので、
ウェットンもブラッフォードも大いに困惑したそうです)