バッファロー’66

監督 : ヴィンセント・ギャロ
出演 : ヴィンセント・ギャロ/クリスティーナ・リッチ/アンジェリカ・ヒューストン/ベン・ギャザラ/ミッキー・ローク


マルチ・アーティストのヴィンセント・ギャロが監督、脚本、音楽そして主演までこなした作品。

ギャロ扮するビリーは思いきりわがままでどうしようもない男。
最初はビリーの傍若無人な行動を見ていて嫌な気分になって
しまったが、そのうちにこの男が実はとてもシャイでいつも何かに怯えた
ような表情をしているのは、愛情のない家庭に育ったことにあると
気づいたあたりから感情移入が出来るようになりました。

ビリーは通りかかった少女レイラを拉致し、故郷バッファローの両親の家に連れて行く。
というのは刑務所から出たばかりのビリーが両親に電話で
「これからフィアンセを連れて帰る」と見栄を張ってしまったから。
少女役はクリスティナ・リッチで「アダムス・ファミリー」の子役時代
から特徴のあった広いおでこにどんぐり眼は変わってないですね!
ちょっと太めなのは役作りか、そのままなのか知らないけど、
どこにでもいそうな、でも普通じゃない感じがよかった。

ビリーの粗暴な性格の隙間から見え隠れする
とてもシャイで不器用だけれども優しい一面・・
家族に愛されなかったビリー、何をやっても
上手くいかないビリーにレイラは次第に惹かれていきます。
彼女も独りぼっちだったのでしょうか・・。

ボーリング場で自分の腕前を見せつけるビリー。
暇をもてあましたレイラはキング・クリムゾンの「ムーン・チャイルド」に
合わせてぎこちなくタップを踏む。
淡いスポットが彼女に当たって幻想的な美しさです。

自分を刑務所へ送った相手への復讐のためビリーは友だちの”グーン”へ
電話を掛け別れを告げるとストリップ小屋のドアを開ける。
バックに流れるのはイエスの「燃える朝焼け」。
こういう場面にプログレッシヴ・ロックが流れるとは・・
斬新と云うかギャロの趣味丸出しというか(^◇^;)
ギャロのプライヴェート・バージョンには全編プログレッシヴ・ロックが
流れているとらしい・・
ビリーがピストルを撃った瞬間、
画面がピタッと静止してしまうのはマトリックスみたいで笑えます。

そしてラスト・・この映画で一番素敵な場面ですね。
ストリップ小屋から出てきたビリー、向かいのモーテルの
レイラのいる部屋に白い明かりを見つめると
使わなかった拳銃を川へ投げ捨て、
足早にドーナツ・ショップへ・・

ハート形のドーナツを持ってレイラの元へ帰ったビリー
ふたりが寄り添っているところで映画は終わります。