真夜中、ホワイトハウス内のボウリングルームで(リンドン・ジョンソン大統領が自分のスコアをのばすために建設した!)大統領のジェフ・ブリッジスは好みの高級料理を持ってくるよう内線で部下に命令。そんな無理難題にも嬉々として応える部下。アメリカ大統領の持つ権力の強大さを些細なエピソードで見せています。大統領ブリッジスがレーンの前に立ちボールを投げる場面はどうしてもコーエン兄弟の「ビッグ・リボウスキー」でヒッピーのなれの果てのような中年男リボウスキー(ジェフ・ブリッジス)を思い出させて吹きだしてしまいます。映画「ビッグ・リボウスキー」を見た人にはこの「ザ・コンテンダー」でエヴァンス大統領を演じるジェフ・ブリッジスが正装したリボウスキーに見えることでしょうね。副大統領の死から3週間、ジャクソン・エヴァンス大統領(ブリッジス)は後任の副大統領選びに苦慮していました。マスコミは最有力候補として、自動車事故に遭遇し英雄的な救出劇(運転者の女性は死んだが)を見せたハサウェイ知事が有望と報道するが、エヴァンスはハサウェイが見せる忠誠心の裏に野心の匂いをかぎ取り、副大統領指名を退けるのでした。エヴァンスが副大統領に指名したのは、自身と同じ民主党のレイン・ハンソン上院議員(ジョーン・アレン)。監督のロッド・ルーリーはこの映画は最初からジョーンのために書いたと語るほどの入れ込みようで、彼女は一見知的で落ちついた雰囲気の女性だけど、実は内に激しい情熱を秘めているという役がとても上手な女優さんだと思います。高校生兄妹が50年代のテレビドラマの世界へイムスリップしてしまう映画「カラー・オブ・ハート」でも母親役で情熱的な演技を見せていました。副大統領となるためには下院の司法委員会の聴聞会を経て議会の承認が必要となるのですが、そんな矢先、レイン上院議員が学生時代に乱交パーティに加わり、セックスしているという写真がインターネットへ流されます。副大統領候補から外されたハサウェイ知事と親密な共和党議員シェリー・ラニヨン(ゲイリー・オールドマン)はレイン上院議員が副大統領に指名されたことに不信感を持ち、早速セックス写真を入手、若手議員のレジナルド(クリスチャン・スレイター)とレイン降ろしを画策する。ラニヨン議員役のゲイリー・オールドマン、監督曰く「ヘアメイクした彼を初めてセットで見たときはブッ飛んだ。実際、目の前を歩いているのがゲイリーだとは誰も気づかなかっただろう」と語るほどの変身ぶり(毎度のことですが(^_^;))。事実、この映画でゲイリー・オールドマンの存在感には圧倒されます。ハリウッドスター然としたジェフ・ブリッジスやクリスチャン・スレイターもいい味を出しているけれど、作品によりリアリティーをもたらしているのはゲイリー・オールドマンの存在です。さて、写真に映っているのは実際にレイン上院議員なのか・・それとも全くのでっち上げなのか・・。議会で追及されるレイン上院議員の反応は?エヴァンス大統領はどう出るのか? 追及する側とされる側、どちらもが権力のための闘いであり、そこには正義も悪もない。このパワーゲームの成りゆきはぜひ劇場で。 |