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ヴァシリ・ザイツェフ、ロシアの伝説的英雄。彼は第2次世界大戦中に400人もの敵を射殺したと云われる狙撃手(スナイパー)だ。ウラルの山奥で生まれたヴァシリは正規の教育を受けていないが、幼いとき祖父から仕込まれた射撃に天才的な腕を示した。「一撃でヤる時は目を狙え」。銃口初速が秒速800mもある狙撃銃は音が届いた時には敵は既に死んでいる。スナイパーは敵近くへ忍び寄ると一撃でこれを仕留め、風のように姿を消す。大戦中、スターリングラードでの180日間に及ぶ対ドイツ戦の攻防では、両軍合わせて100万人が戦死。破竹の勢いを誇ったドイツ軍も想像を絶するロシアの厳冬だけは予想外だった。追いつめられたドイツ軍の中で、靴磨きの少年からヴァシリの情報を聞いたケーニッヒ少佐はヴァシリの殺害に執念を燃やす。ケーニッヒもまた天才的な射撃の名手だった。
ヴァシリ・ザイツェフを演じるのは、若手美男俳優として実力ともに注目株のジュード・ロウ。最近変な顔の多い俳優の中で、一際目立つ端整な顔立ちをしています。でも、この映画で一番の存在感を見せたのはケーニッヒ少佐を演じた演技派エド・ハリスだと思います。演技も光っているが、頭も光ってます。ドイツ軍将校の制服に身を包み(これが格好良すぎる!)、孤高のスナイパー役とくれば、他の俳優では考えられないほどの適役。彼が出てなかったら、戦闘場面がリアルなだけの戦争映画になっていたかも知れない。一兵卒でありながら、射撃の腕を見込まれ一躍ソ連軍の英雄に祭り上げられたヴァシリとドイツ軍のエリート将校ケーニッヒ。2人の息詰まる対決が見事に描かれています。ただし、準主役のジョセフ・ファインズは地味な雰囲気であまり印象に残らなかったのが残念。ジャン=ジャンク・アノー監督の作品でおなじみの俳優、ロン・パールマン(大阪のおっちゃん曰く、ごっつい顔しとるのう!)が出てきたときはニンマリ。画面に重量感を与えるいい俳優ですね〜。ソ連軍の女性レジスタンスを演じたレイチェル・ワイズは好きなんだけど、この映画ではちょっと出すぎのような気がしました。 |