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癌を宣告され、余命僅かなことを知らされたふたりの若者。マーチンとルディ。
マーチンは「天国ではみんなが海の話をする」と云うが、ルディは一度も海を見たことがない。
ふたりは病院をこっそりと抜け出し、それとは知らずにギャングの車を盗み出すと
海をめざし最後の旅に出る。
難病モノといえば普通ならいかにも深刻なお涙ちょうだいの雰囲気だが、
この映画はひたすら明るい。
アップテンポな音楽に乗せて、毒を含んだユーモアのあるスピーディーな会話や
派手なアクションはタランティーノの映画を見ているよう。
車を盗まれたギャングの二人組は大慌てでマーチンとルディを追う。
トランクの中にはボスの金100万マルクが積んであるんだから!何としてでも
車を取り戻さなければならない。
このギャングの二人組。黒いスーツにサングラス、仕草までいつも同じで笑えるが、
モーリッツ・ブライプトロイ演じるアブドゥル(アラビア人らしい)がどこまでも間が抜けていて
さらに笑いを誘う。バナナを持っているギャングなんて初めて見たぞ〜。
マーチンとルディはどうせすぐ死ぬんだから豪遊しようと銀行強盗を働き
10万マルクをせしめる。が、当然警察からも追われる身となる。
やがてふたりは車のトランクに100万マルクの札束を見つけ仰天!
金の出所など気にもせず大喜びで一流ホテルのスイートルームに泊まり贅沢三昧。
脳腫瘍の発作に度々襲われるマーチンを気づかうルディ。
ふたりは最後にかなえたい願いを紙に書いていくのだった。
マーチンの願いは母親にプレスリーが乗っていたのと同じピンクのキャデラックを
プレゼントすること。
ルディの願いは二人の女と最高のセックスを楽しむこと。
ギャングに追われ警察に追われ、派手な銃撃戦を交わしながらも
子供のように無邪気にはしゃぎながら最後の旅を続けるマーチンとルディ。
ラスト近くに登場するルトガー・ハウアー扮する大物ギャングがとてもいい。
タイトル「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」はボブ・ディランの名曲。
旅の終わりふたりを包み込むように激しく波打つ海にこの曲が被さり深い余韻を残す。 |