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う〜む、このパンフの写真、猿から人間への進化表みたいだなあ。パッと見、マーク・ウォルバーグ→猿→人間に見えてしまうのが痛いっす。誰も云わないけれど実は誰もが気づいている猿顔のマークを主役にしたのは観客受けを狙った意図的な戦略?とも感じるのだった。オリジナルの「猿の惑星」は1968年にフランクリン・シャフナー監督で映画化され「猿と人間の立場の逆転」という意表をつくストーリーとラストのアッと驚くオチ(見ているうちに多分そうじゃないかと思わせておきながら、有無を云わさぬ圧倒的な映像でさらに驚きを増幅させる)が話題となり今ではSF映画の古典と呼べる作品となっている。「猿の惑星」以降、「続・猿の惑星」、「新・猿の惑星」、「猿の惑星・征服」、「最後の猿の惑星」とシリーズ化され未来へ行ったり過去へ戻ったりしながら観客の頭を悩ませつつ(わたしは寅さんシリーズのように永遠と続くに違いないと思い、次は”犬の惑星”に猿と人間が降り立つんじゃないかと信じていた)終了した。1996年以来、幾度となく「猿の惑星」のリメイク作を製作する話しが聞こえてきた。ジェームズ・キャメロン監督とシュワルツェネッガー(ゴリラ軍団より凶暴そう!逆にスカウトされそうだ)、オリバー・ストーン監督(猿の惑星の猿になって出たと思う!もちろんメイクなしで猿)、クリス・コロンバス監督(ファミリー向け映画になったかも)、マイケル・ベイ監督などが挙がっていたが最終的にティム・バートンに決定。
映画は意外とレトロな雰囲気。宇宙船の内部や操作パネルの造り、類人猿のコスチュームや武器など、どこかオモチャっぽく60年代70年代のSFテレビドラマみたい。映画と同時にキャラクターグッズも売りまくろうとする思惑が見え隠れするのだけど、やはりこのオモチャ感覚はティム・バートンの趣味なんでしょうね。宇宙飛行士が磁気嵐に飲み込まれタイムワープ、不時着した惑星は猿が支配していた。人間は下等な動物と見なされ猿たちの奴隷となっている。奴隷の中になぜか絶世の美女がいて・・。すでに誰もが知っているストーリー。でも退屈さは全くなく映像に胸ぐらを捕まれるように引き込まれていくところがスゴイ。類人猿のマスクを担当したのは、三度の飯より猿が好きな特殊メーキャップ・アーティストのリック・ベイカー。写真を見る限りではオリジナル版とあまり変わらないように見える類人猿のメーキャップだけど、映像で見るとその差は歴然。微妙な筋肉の動きが作り出す細かい表情や肌の質感、俳優の顔の輪郭が浮かび上がってきそうな俳優自身の眼とその周辺の筋肉の動きが実にリアル。少なくともあのオリバー君よりは現実味が感じられる!(古い)。人間に対して増悪をむき出しにする凶暴なチンパンジーの将軍セードを演じるのはティム・ロス。この役はゲーリー・オールドマンも候補として名前が挙がっていたが、怒りや憎しみをストレートに爆発させる演技を見るとティム・ロスで正解だったと思う(ゲーリー・オールドマンはどこかコミカル)。人間に対して理解を示す聡明なチンパンジー、アリにはヘレナ・ボナム=カーターが扮している。彼女は変身モノが好きなのか、ロバート・デ・ニーロ主演の「フランケンシュタイン」でも怪物の花嫁を演じていた。他にはその野太い声だけで誰だか分かる、マイケル・クラーク・ダンカン。彼はゴリラの軍隊を率いる隊長のアターを演じている。顔だけ見ると誰だか分かりにくいのに彼の場合はちょっと得している感じ。猿の世界で絶世の美女を演じているのは元モデルのエステラ・ウォーレンで彼女はスターロンの新作「ドリブン」にも出ている。最後にわたしが一番気にいったキャラクターは奴隷商人(人間を売買している)リンボー、冒険活劇ではおなじみの鈍くさい役どころで表情がスティーブ・ブシェミみたいなのが笑えます。
ディテールにこだわるバートン監督ならではの、猿たちのプライベートな部分が登場するのも良かったなあ(猿も人間と同じような悩みを抱えてるってことです)。猿が人間を支配している世界を描いていながら、戦争好きで支配欲の強い動物、それは人間なんだと思わせられる作品。猿たちの世界は鏡に映した人間の世界なんですね。まさにパラレルワールド? |