シザーハンズ
監督:ティム・バートン
出演:ジョニー・デップ/ウィノナ・ライダー/ダイアン・ウィースト
ビンセント・プライス/キャシー・ベイカー/アラン・アーキン




ティム・バートンが語る現代のお伽噺。悲しげな表情でぎこちなく歩くエドワードはハサミの手を持つ人造人間。エドワード役のジョニー・デップが実にうまいです。エドワードは自分を造った優しい発明家の博士(往年のホラー映画の名俳優ヴィンセント・プライス)と暮らしていましたが、人間の手をつけてもらう最中に博士は急死、広い屋敷の中にエドワード独りが取り残されてしまいました。ある日、街から化粧品のセールスレディ、ベグがやって来ます。彼女は日なが一日街を歩き回ったものの成果が上がらず、最後にこの屋敷を訪れたのでした。ベグを演じるのはウディ・アレンの映画でおなじみのダイアン・ウィーストで目を細めた微笑が素敵です。心の優しいベグはハサミで傷ついたエドワードの顔をキレイにしてやろうと自分の家に連れて帰りますが、エドワードはどこから見てもヘンなので家族はビックリ!暇を持てあましていた近所の住人たちもベグが変な男を連れ歩いていると大騒ぎに・・。生まれて初めて外の世界を目にしたエドワードは見るもの全てが珍しく手を出して触ってみたいのだけど、ハサミの手ではモノを掴むことさえおぼつかない(ジョニー・デップは共演者が自分に対して障害者に接するように優しく気づかってくれたとインタビューで語っています)。
やがてエドワードはベグの娘で快活な少女キム(ウィノナ・ライダー)に恋をします。庭の植木をハサミを使って動物や人の形にカットしたり、ペットの犬からベグの髪までお洒落にカットしたりとエドワードは一躍人気者になり、最初は怖がっていたキムも純粋な心を持ったエドワードに次第に惹かれていく・・。
ティム・バートンの描く世界はディズニー出身の彼らしくとてもファンタジックなんだけど、いつも暗く悲しい影がさしている。人間の持つ二面性、忘れてしまいたい裏の部分や忌み嫌われる異形のモノを好んで描いているような気がします。
キムには彼氏がいます。男は性格的に嫌なヤツでエドワードを散々バカにしている。エドワードのことを好きになるにつれ、キムは今の恋愛に疑問を持つようになります。男は嫉妬心もあってエドワードへのイジメをますますエスカレートさせ、心の優しいエドワードもある日ついに怒りを爆発させる。手がハサミなものだから触れるモノ全てを傷つけてしまうんですね。街の人気者から一転、危険人物となり警察からも住民からも追い立てられエドワードは屋敷へと逃げ帰ります。後を追ったキムはエドワードと抱き合い永遠の別れを告げる。そして年月は経ち・・、老婦人が暖炉の傍で、眠りにつこうとしている孫娘(?)に遠い昔の話を語って聞かせています。「彼はまだ生きてるの?」孫娘の問いかけに、老婦人は窓から見える山の上の屋敷を懐かしそうに見つめるのでした・・。
美しい女性コーラスを交えた幻想的な音楽をティム・バートン監督作品ではおなじみのダニー・エルフマンが担当していますが、この作品での音楽は本当に素晴らしい。