ターミネーター3
監督 ジョナサン・モストゥ
出演 アーノルド・シュワルツェネッガー/ニック・スタール
クレア・デーンズ/クリスタナ・ローケン/デヴィッド・アンドリュース




何が良かったって?まずは新型ターミネーターを演じたクリスタナ・ローケンの大きなおでこが良かった!「2」のターミネーターT1000(ロバート・パトリック)もインパクトがあったけれど、今回は最強のターミネーターを女性にしたこと、クリスタナ・ローケンという無機質な雰囲気のある女優をよくぞ見つけたという感じで、続編の続編あたりで陥るマンネリ化の尻すぼみ的な展開を彼女の存在でリフレッシュすることに成功している。そしてシュワちゃんもローケンちゃんも交通ルールは守ろうよ!。思わずそう呟いてしまうほど過激で凄まじいカーチェイス・シーン(西部警察の百万倍はある。もちろん爆破シーンの上下左右からの使い回しはなしだ!)はカツ丼に例えるとご飯の上のトンカツ分くらいの満腹感を上映開始から十数分にしてもたらしてくれる。ここで席を立って帰っても友人に「T3すごかったよ」と堂々と言えるほどの出来である。おまけにこれでもか、ほれこれでどうや!とばかり大地を揺るがす大音響の重低音とガキンガキンと耳をつんざく金属音。誰もが電気椅子の上で感電している場面だが、しかしふと見ると前方の席で携帯電話の液晶をお気楽にピカピカ光らせているアホがいて、こんな大変な時にどういう神経しとるんじゃと憤ったりもした。 93年公開の「ターミネーター2」から10年後が舞台の「3」はジョン・コナーの少年時代を演じていたエドワード・ファーロングがドラッグの乱用や奇行が禍して俳優としてのステップアップになっただろう10年後のジョン・コナー役を降ろされ、代わりに若手の注目株ニック・スタールがこの大役を射止めた(ニック・スタールは93年のメル・ギブソン初監督作品「顔のない天使」でギブソン演じる顔に火傷を負った主人公と交流を持つ少年役が懐かしい)。ニック・スタールのジョン・コナーはパッと見冴えない風貌をしているが映画を見ているうちにこれで良いのだと納得(84年の「ターミネーター」で戦死したジョンの父親カイル・リースにも顔立ちが似ている)。さて彼がいなければ話にならない、ターミネーターT-800。またの名をシュワちゃん。T-800は「2」で自ら溶鉱炉へ入り消滅したので、どうやって戻ってくるのかと思っていたら「ジョン・コナーよ。お前はオレと相性が良いから」という脚本家も匙を投げたかのような説得力のない理由でシュワ型ターミネーターが2029年の未来からジョン・コナーの元へやって来る。最新鋭のT-Xと比べて自分は性能面で遠く及ばない旧型なのだとつまらなそうに呟くシュワ。だがそれでも一歩も引かずに戦う姿は思わず「アニキっ!」と声を掛けたくなる。最新鋭ターミネーターT-Xは実用配備されて間もないせいか、ちょっと鈍くさく、そこはかとなく可愛い(クリスタナ・ローケンの目と唇と首の演技が良い)。T-Xは手先が色々な武器に変化するが、いきなりぼわーーっと火炎放射器になったりして実用性にはいまいち難がある。その点、旧型T-850は数多の戦火をくぐり抜けてきた堅牢さだけが取り柄のボコボコ装甲車。もうやけっぱちの怖いモノなし。だから攻めて攻めて攻めまくる。考えるよりもまず行動するタイプだ。後半になってくるとドンドンパッパドンパッパ、観客も俳優も監督も映写技師も掃除のおばちゃんまでもが呆気に取られストーリーどころじゃない。おっと忘れちゃ困るよお客さん、これは映画なんだとばかりにいきなり米空軍が出てくる。もともと未来で人類を支配する機械軍”スカイネット”は空軍の戦略防衛軍事システムだった。人間の誤った判断をなくすため全てをコンピューターに委ねた結果、コンピューターが人間を支配してしまったのである。「3」のT-Xは未来で機械軍と戦う抵抗軍(人類)のリーダー、ジョン・コナーと彼の組織に入ることになる未来の仲間を消しにやって来た。ジョン・コナーは高校で同級生だった女性ケイト・ブリュースターと再会する。彼女もまた2029年の未来で抵抗軍の重要な役割を担っていた。ジョンとケイトの二人は救出にやって来たT-800から衝撃の事実を知らされる・・。しかし考える間もなくT-Xが急襲。かたや軍を掌握したスカイネットは核攻撃を発動。ジョンとケイトはこの世界を救うことが出来るのか、T800とT-Xの闘いの行く末は・・?。う〜ん、書いているうちにもう一度観たくなってきた。ここまで息をつかせない超弩級のアクションムービーは久しぶりに観た。少し大げさではあるけれど「ターミネーター・シリーズ」ファンへのサービスも抜かりはない。2時間というお尻の痛くならない枠に納めたのも正解だったと思う。ただ心配なのは、この先「ジョーズ」のように延々とシリーズ化が続き、やがてTVアニメになって寂しく潰えることがないように願うばかりだ。