ヴァージン・スーサイズ
監督 ソフィア・コッポラ
出演 キルスティン・ダンスト/ハナ・ハル/ジェームズ・ウッズ
キャスリーン・ターナー/ジョナサン・タッカー/ジョシュ・ハートネット




70年代半ば、ミシガン郊外の住宅地でリスボン家の5人姉妹が次々と自殺した。姉妹の美しさは近所でも評判で年頃の男の子たちの羨望の的になっていた。外から見れば何不自由なく育ち幸せそうな彼女たちがどうして自らの命を絶ったのか・・。最初に死んだのは末妹の13歳になるセシリアだった。6月のある日、町全体がうたた寝でもしそうな穏やかな午後、バスルームで手首を切った。幸いなことにセシリアは救急車で病院へ運ばれ命をとりとめたが、彼女が死を選んだ原因については専門家にも家族にも誰も判らなかった。それから、セシリアは家に戻り、ある日のパーティの夜、2階から飛び降りて今度は本当に死んでしまった。悲観に暮れる母親は前にも増して気難しくなり、数学教師の父親は自分の世界へ没頭するようになった。残された4人の姉妹は部屋に閉じこもり虚ろな気分を漠とした時の海に漂わせていた。9月、夏休みが終わり、ハイスクールの始業式に4姉妹はそろって登校した。まるで何事もなかったかのように明るく幸福そうな彼女たち。トリップ・フォンティーンという少年が夏の間に突然脱皮して男になり、学校中の女の子の視線を独り占めする中で、彼はリスボン家の4女ラックスに夢中になった。ラックスは最初は興味なさそうにトリップの気持ちを焦らせ、しばらくトリップとの駆引きを楽しんだ後に激しく恋に落ちた。学園祭のダンスパーティでトリップとラックスは優勝し最高に幸せな気分に包まれた二人はその夜誰もいないグラウンドで愛を交わす。朝の靄が晴れて、ラックスが目を覚ますとトリップは姿を消していた・・。
--全米でベストセラーを記録したジェフリー・ユージェニデスの小説「ヴァージン・スーサイズ」を映画化。監督をしたのはソフィア・コッポラで彼女は脚本も書き上げ、初めて映画の監督をしたそうだが、有名な父親に助言を仰ぎながらも、自分の世界を見事に表現している。一流の俳優や人気の若手俳優が大挙して出ている(ジェームズ・ウッズ、キャスリン・ターナー、スコット・グレン、ダニー・デビート、キルスティン・ダンスト、ジョシュ・ハートネット)せいもあるだろうが、とても初監督作品とは思えない。思春期の女の子にしかわからない独特な鬱屈とした空気、どこに何を求めて良いのかという不安感・・。最後に姉妹全員が死んでしまったのも映画を観た人はよくわかるじゃなくて何となくわかるような気がする・・という感想だったのではないだろうか。映画は現在から二十数年前の出来事を回想する形で進んでいく。あの頃・・今はもう普通の大人になってしまった少年たちと、同じ時代に生まれながら、ずっと昔に逝ってしまった少女たち・・。懐かしい70年代に流行した音楽が20数年前へ想いを馳せる大人たちの郷愁を誘う・・トッド・ラングレンの「ハロー・イッツ・ミー」、ギルバート・オサリバンの「ハロー・アゲイン」など。物憂げなメロディのテーマ曲も良い。