FEELDS GOOD TO ME    BILL BRUFORD(1978)


    イエス,キング・クリムゾン,ジェネシス,UKとイギリスを代表するプログレッシヴ・ロック・バンドに在籍したドラマー、ビル・ブラッフォードが1978年に発表したファースト・ソロ・アルバム。ピッチを極端に上げたシャープなスネア。人の意表をつく独特なタイム感で聴く側にスリルを与えるドラミング。14,5才の頃、イエスの代表的なアルバム「こわれもの」を聴いたのが彼のプレイを知った最初で「なんだ?この変なドラムは」と思いつつ聞き込んでいくうち徐々にその奇妙なドラミングに引き込まれて以来、彼が関わった作品を聴き続けてきました。発表された当時、日本ではクロスオーバーなるジャンルが大流行していて(いつの間にかフュージョンと呼ばれるようになった)、このアルバムで随所に聴ける技巧的な要素とエディ・ヴァン・ヘイレンが影響を受けたと云う超速弾きギタリスト、アラン・ホールズワースが参加していたこともあってバンドをやっている連中には大いにもてはやされていました。
    「アラン・ホールズワースが片手で奏でるフレーズをコピー出来なくてライトハンド奏法を思いついた」とエディ・ヴァン・ヘイレンが語っているように、これがギターのフレーズなのかと思うほど広い音域にわたる強烈に速いソロプレイ。指の関節が外れてしまいそうなコードフォーム。今でこそ速いだけのギタリストならたくさんいるが、アランのプレイはとても艶っぽくセクシーで独特なものがあります。ベースのジェフ・バーリンも超絶的なテクニックの持ちぬしで速いパッセージを怒濤のごとく繰り出します。キーボードのディブ・スチュアートはそれまでロックのキーボディストには見られなかった色彩感溢れる端正なプレイで彼こそがバンドの要となっていることがよく分かります。数あるビル・ブラッフォードのアルバムの中でもベストを挙げるするとやはり本作になるでしょう。